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【初めてのテント泊】登山用テントはどうやって選ぶ?

【初めてのテント泊】登山用テントはどうやって選ぶ?

山でテント泊をすることを決めたら、悩む事の1つにどうやってテントを選ぶかということがあると思います。今回は登山用テントにフォーカスをして選ぶ基準をお伝えします。登山用テントは背負って行く必要があるのでシンプルかつ軽量で、天候が悪化した時も想定して組みたてやすく、風に強い構造になっています。これに比べキャンプ用のテントは快適なスペースの確保を目的にしており、車で運ぶことを前提にして作られているので重くかさばるのが特徴です。山泊の時は必ず登山用のテントを選びましょう。

1.登山用テントを決める基準

1-1.使用する人数で決める

これから使うテントは何人で使用するのかをまず決めておきましょう。テント内に荷物をおくなどゆとりを持たせるため、定員数より少し多めにしておくのがコツです。1人用のソロテント、2~3人用のテント、ファミリー向けの大型テントなど様々なサイズがあります。コロナ禍においては共用はできるだけ避けて、1人用のテントを持っておきたいところです。

1-2.使用する季節で決める

初心者向けは春・夏・秋と3シーズン使用できるタイプがベストです。雪が解けた初夏から雪が降り始める直前まで使用できるのでとても便利です。またギアを買い足すと冬山でも使用ができます。夏山がメインの人向けには、全体もしくは出入口がメッシュになっている通気性のよいテントもあります。

1-3.構造で決める

大きく分けて、「ダブルウォールテント」と「シングルウォールテント」の2つがあります。ダブルウォールテントの特徴は、登山靴を置いたり玄関代わりに使える前室がある点です。またアウターとインナーに分かれているので、結露しにくいのも利点です。ただし二重構造になっているがゆえに設営に時間がかかることと、重くなってしまうことが欠点です。シングルウォールテントは軽量で設営がしやすいというメリットがありますが、価格が高く結露しやすいのが難点です。シングルウォールテントは経験豊富な上級者向きです。初心者は前室が使えるダブルウォールテントがおすすめです。

1-4.設営のしやすさで決める

「自立式」と「非自立式」に分けられ初心者向けは自立式のテントになります。自立式はペグを打ったり張り網をしなくても、ポールを使うことで自然とテントの形になります。
非自立式は1kg以下の軽量のテントに多く、ポールを通しただけではテントの形にならないので設立に時間がかかり、上級者向けとなっています。

1-5.ポールの素材で決める

テントの骨組みとなるポールの素材によって、テントのしなりやすさや強度、全体の重量が変わってきます。ポールの素材は主に3つあります。グラスファイバーは安価でしなりやすいものの、重いという欠点があります。スチールは、しなりにくく重いのですが、強度や耐久性に優れています。強度に優れながらも軽い素材であるジュラルミン(アルミニウム合金)は高価なテントによく使われており初心者にはおすすめです。

テント設営イメージ

出典: アライテント公式ホームページより

1-6.デザインで決める

登山用のテントは設立しやすいかどうか、軽量であるかどうかといった機能が優先されます。初心者のうちはデザインで決めるよりも、機能重視で選んだり、多くの人に支持されている定番のモデルから選ぶ方が無難です。定番の中でもフライシートの色を選ぶこともできるモデルや、ピンクなどの数量限定モデルもあるので、お気に入りが見つかれば長く愛用することができます。

1-7.耐水圧で決める

耐水圧は生地に水圧がかかった時に水漏れを起こすかどうかを示す基準値で、耐水圧が高いと寒さにも強いのですが結露の原因にもなるので注意が必要です。大雨でも耐水圧が1500mmがあれば耐えうるレベルなので、耐水圧が1500mm~2000mmのものから探すがベストです。

テント設営イメージ

2.はじめてのテント泊におすすめのテント

それではどんなテントを選んだらよいのか、定番の中からおすすめをご紹介します。どんなテント場に行っても必ず見かけるような人気のテントです。国内のメーカーは修理対応が迅速であったりパーツが手に入りやすいのがなんといっても魅力です。今回は2人用のテントで比較していきます。

2-1.アライテント/エアライズ2

「エアライズ」は軽量かつコンパクトでありながら、居住性や快適さを備えた定番のテントです。

アライテントエアライズ2イメージ

出典: アライテント公式ホームページより

  • ●重量:1550g(ペグと張り網の220gは含まず)
  • ●サイズ:設営時/間口130×奥行210×高さ105cm
  • ●カラー: オレンジとフォレストグリーン
  • ●耐水性: 2,000mm
  • ●価格:本体44,000円(税抜)
  • ●スリーブ式で強風に強い
  • ●オプションが豊富でオールシーズンに使える

2-2.モンベル/ステラリッジ テント2

世界トップクラスの軽量性で多くの登山家から愛用されているブランドです。強風時でも素早い設営ができるように作られています。

モンベルステラリッジテント2型イメージ

出典:モンベル公式ページより

  • ●重量:1430g(ペグと張り網、スタッフバッグ含む)+215g(グランドシート使用の場合)
  • ●サイズ:設営時/間口130×奥行210×高さ105cm
  • ●カラー:オフホワイト、サンライトイエロー、ピーコック、タイム
  • ●耐水性: 1,500mm
  • ●価格:¥29,200 (税抜)+フライシート12,000円(税抜)+グランドシート4,500円(税抜)
  • ●吊下げ式のためペグダウンした状態で設営が可能

2-3.エアライズ2とステラリッジ テント2 の比較

2つとも入り口が短辺にあり、前室が小さめのテントです。2人用はどちらのブランドも同じサイズになっています。エアライズは耐水性が高くなっており、フライシートがしっかりテントを包み込むため、雨風に強い設定になっており縦走にも向いています。少し通気性が悪いのがデメリットです。
ステラリッジは軽く、カラーが豊富で、吊下げ式のため設営が簡単です。モンベルのお店は各地にあるので修理依頼がしやすいのもメリットの1つです。ただしステラリッジのフロアは薄いため、雨の日など濡れた地面の対策として別売のグランドシートを購入することが奨励されています。このグランドシートを加えるとステラリッジとエアライズの重量差は125gのみとなり、金額はステラリッジが逆に1,700円高くなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。テントを決める基準を大まかに知ったうえで、定番のテントから選ぶと初心者でも決めやすくなると思います。
今回紹介したエアライズステラリッジにはレンタルもあります。少額から始めることができ、広さや使い勝手なども確かめることができるので、購入を考えている人にはとてもおすすめです。気に入ればそのまま買い取ることもできますよ。一度覗いてみてくださいね。


(酒井健斗)

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